民間の会社に1年ないし2年派遣した職員と意見交換をしました。株式会社日本総合研究所、三井物産株式会社、株式会社資生堂、株式会社埼玉りそな銀行、株式会社ジェイティービー、株式会社日本政策投資銀行、キヤノン株式会社、株式会社博報堂、東京ガス株式会社、日本貿易振興機構(JETRO)、以上10の企業や公的機関への派遣研修を終えた職員から5分ないし10分報告を聞き、その後に意見交換しました。

いずれも将来期待の若手職員であります。県庁という組織と企業という組織はおのずからその役割は異なっておりますが、人間集団や組織の原理ということに関しては共通している部分も多くありますので、彼らがこの1年ないし2年で学んだことは大変大きいのではないかと思っています。皆さんの意見を聞いていると、3つの点に集約される気がいたします。

1つ目は、何らかの形で自らの主体性を強めていかなければ話にならない。つまり自分の考えを持つということです。そして自分の考えはこうだと言えるためには問題の本質は何なのか、常にそもそも論に立ち返って考えなければいけないということを感じて帰ったようであります。

2つ目は自己研鑽(じこけんさん)の重要性を強く意識してきたようです。前例や多数派に流されがちな組織の中で、例えば物事を多面的に考える、変化に対応するための心構え、あるいは「粒ぞろい」よりも「粒違い」という自分の個性を出していく、そうした自分を磨くことに関して意識をしなければいけない、そのためには、時には「他流試合」という形で組織の外側に学びの場を求めなくてはならないということを感じたようです。

3つ目は、仕事を通じて自分は結局何を実現したいのか。そして何を発信するつもりなのか、自分自身の役割は何なのか、まさしく自己を啓発したり鍛えた後に目指す究極の目的は何なのか、そのために今何をしなければならないのか、とこうした自分自身に対する最終的な問いかけについてしっかり見つめるチャンスを得て帰ってきたような気がいたします。

こうした若手職員がそれぞれの職場へ戻り、民間企業で学んできたことをしっかり活かせるようになってもらいたいと思います。間違っても、三年も経ったら元の木阿弥ということがないよう、今の気持ちを忘れずにがんばってほしいと思います。