埼玉県では面白いことをやっています。それは、若者向けの海外留学などの奨学金として、国や県、市町村がお金を出すのではなく、あえて民間企業や団体からお金を出していただく制度としていることです。もとより、本県には「本多静六博士奨学金」など従前から奨学金制度はありましたが、企業や団体、個人などに広く寄附をお願いしているところに特色があります。これを「埼玉発世界行き冠奨学金」と名付けています。
つまり、「○○企業の奨学金」、「△△団体の奨学金」という冠を付け、一口原則50万円の形として、対象を1人とするか、2人とするか、3人とするか、また留学期間を長期とするか短期とするかなどは、それぞれの企業の考え方に応じて決めていただいております。
例えば、カネパッケージ株式会社の「カネパッケージマングローブ奨学金」は、環境改善活動に関心があり、将来海外に貢献する意志のある学生を支援するものです。カネパッケージ株式会社は、フィリピンなどでマングローブの植林事業などを社会貢献事業として行っていることもあり、このような名前が付いています。
「浦和競馬チャレンジ奨学金」は、地域貢献に高い志を有し、海外体験により国際的な視野や高度な知識などを習得したい学生を応援するという目的に立って、長期と短期の留学生をそれぞれ支援しています。
前澤工業株式会社の「『水のマエザワ』東南アジア留学奨学金」は、東南アジア諸国において水問題の解決に資する技術、政策、法律の学習、研修を希望する学生に与えられる奨学金です。上下水道の事業や水質浄化を展開する前澤工業株式会社の社是(しゃぜ)に沿った奨学金です。
このように、それぞれの寄附者が自らの思いを通して海外で学ぶ若者たちを応援する奨学金です。
御協力いただいている企業や団体などの皆様に改めて感謝申し上げます。そして、温かい御支援を受けて、多くの若者が海外へ飛び出し、立派な花を咲かせてくれることが今から楽しみです。