日本の対外純資産が平成29年度末、328兆円となり27年連続で世界最大となりました。この対外純資産は、正に企業に残された高齢者世代のストックとも言うべきものだと思います。

対外純資産が大きくなると、国として海外で稼ぐ力を示す代表的な指標である経常収支の改善につながります。平成29年度の日本の経常収支は22兆1,749億円の黒字となっています。

経常収支の内訳は、貿易収支(モノの輸出から輸入の差引)、サービス収支(サービス取引の収支)、第一次所得収支(企業が海外子会社から受け取る配当金などの直接投資から得られる収支)などがあります。
そのうち第一次所得収支が、前年度比約4.7パーセント増の20兆2,668億円と最も高くなっており、貿易収支の4兆5,396億円を大きく上回っています。

高齢者世代が現役時代にものづくり技術を高め、資産立国化へと汗をかいたことが、現在の日本における対外純資産の着実な積上げと経常収支の安定した黒字化にも寄与していると言えます。

現実には企業のこうした投資利益は海外へ再投資され、税収増という形での国民への還元は限られたものとなっていることから、そのことがぼんやりしている面もあります。
しかし、過去に働いた高齢者世代の力が今なお残っており、意外な稼ぎ手となっていることに、我々はもっと気付く必要があると思います。