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県立浦和高等学校出身で現在、農林水産省事務次官の末松 広行(すえまつ ひろゆき)さんが食料安全保障課長をされていた時に書かれた著書「食料自給率の『なぜ?』」(扶桑社新書)を改めて読みました。末松さんとは、関東農政局長をされていた時以来親しくさせていただいており、しばしばお会いしてお話を伺っています。

著書では、日本の食料自給率がカロリーベースで40パーセントという状況をどのように考えればいいのかなどが語られています。
今、おいしくて健康にも良いと世界中で和食が注目されていますが、和食の代表ともいえる味噌汁は26パーセント、天ぷらそばは22パーセントしか国産の食材で作れないといいます。これが正しい日本の現状です。
もし一切食材を輸入しないということになったら、私たちの一日の食卓がどのようになるのかが示されています。朝食は、茶碗1杯(精米75グラム分)、粉吹き芋1皿(ジャガイモ2個300グラム分)、ぬか漬け1皿(野菜90グラム分)。昼食は、焼き芋2本(サツマイモ200グラム分)、ふかし芋1個(ジャガイモ150グラム分)、果物(りんご4分の1、50グラム分相当)。夕食は、茶碗1杯(精米75グラム)、焼き芋1本(サツマイモ100グラム分)、焼き魚1切れ(魚の切り身84グラム分)になるそうです。
なお、これとは別に納豆を3日に2パック、味噌汁を2日に1杯、うどんを2日に1杯、食肉を9日に1食、卵を7日に1個、牛乳を6日にコップ1杯取ることができるとのことです。
1日の摂取カロリーは、一般的な成人男子の1日に必要なカロリーよりも少ない2020キロカロリーになります。「本当に?」と驚かされますが、これが基本メニューとなるということです。

こうした状況については、食料の安全保障の観点から懸念の声が上がっています。一方で、例えば石油が輸入できなければ電気も使う事ができないから、食料の安全保障だけを議論しても意味がないのではないかなど疑問を呈する意見もあります。確かにそうした面もあるかもしれません。

末松さんはこの問題について、米の消費の拡大こそがポイントだと結論づけておられます。米の消費の拡大が進めば遊休農地や減反されている水田が生かされます。そして、栽培技術の向上による多収米の生産や、トウモロコシや大豆に代わる飼料米の生産などにより、米が様々な食料の代わりを果たしていくことが可能になるといいます。しかも、水田には多面的な機能があり、水を保水しながら温度を下げ、そしてまた環境に優しいと末松さんは指摘しています。

改めて末松さんの本を読んで確認することができたのは、やっぱり「お米をたくさん食べなければ!」という結論です。

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