2月8日(金曜日)のブログでも紹介しましたが、埼玉県では、渋沢栄一翁の精神を受け継ぐ全国の企業経営者を、「渋沢栄一賞」として表彰しています。
第17回目を迎えた今年度は3人の方が受賞されました。そのうちの1人が、三重県津市に本社を置く菓子・食品製造業、井村屋グループ株式会社の浅田 剛夫(あさだ たけお)代表取締役会長です。
浅田さんは、社長就任直後から海外事業進出に注力して業績を回復させるとともに、子供に対する食育活動や、本社工場が取水する川の上流域の森林を守る活動に取り組まれていることなどが評価されました。
井村屋グループでは、実はこのほかにもちょっとユニークな社会貢献活動に取り組まれています。それは「お手玉づくり」です。
井村屋グループでは「あんまん」や「あずきバー」をはじめ、あずきを使った商品を数多く製造していますが、品質を守るために商品の原料として使えない「規格外あずき」が発生してしまうそうです。
そこで、従業員の皆さんや地域のボランティア団体の皆さんが規格外あずきを使用してお手玉を作り、三重県内の幼稚園や保育所、小学校、高齢者施設などに届けているそうです。贈られたお手玉は小学校の生活科や総合的な学習の時間の教材として活用されたり、高齢者とボランティアとの交流に使われるなど、大変好評だといいます。
お手玉づくりは、廃棄物を減らしながら教育や福祉、伝統文化の継承にも貢献し、いわば一石四鳥の効果をもたらしています。
井村屋グループのあずきを使った社会貢献活動は、あずきにこだわって作られた商品の格好のPRとして、会社の業績にも貢献していることでしょう。
ちょっとしたアイデアかもしれませんが、正に「論語」と「そろばん」の相乗効果によって企業の魅力が高まっている良い例ではないでしょうか。