6月22日(土曜日)の埼玉新聞に、自動車の操作ペダル踏み間違い防止装置に関する記事が掲載されていたので御紹介します。

高齢者が運転する自動車の事故が多発していることを背景に、運転免許証を自主返納する高齢者が増えています。最近では、俳優の杉 良太郎(すぎ りょうたろう)さんが自主返納したことが話題になりました。
一方で、自動車は生活に欠かせないものとなっているのも事実です。特に、バスなどの公共交通機関の便が良くない地域にお住まいの高齢者にとっては、自動車がないと買い物や通院などが難しくなってしまいます。

そこで最近注目を集めているのが、アクセルとブレーキの踏み間違いを防止する装置です。「STOPペダル」という商品名で川口市にある機械整備業「ナンキ工業」が開発しました。
このペダルは、アクセルとブレーキ本体が連結された構造になっています。ペダルのアクセル部分を強く踏み込むとロックが外れ、「ピピピ」という警告音とともにアクセルが抑制され、ブレーキがかかる仕組みになっているそうです。

ナンキ工業は2010年に、当時も踏み間違いの事故が多く発生していたこともあり、「アクセルペダルを強く踏むとブレーキがかかる装置があると良い」と考えて開発を始め、2013年に国内特許を取得しました。その後、公的検査機関での試験を経て、岡山県のメーカーとも連携して製品化し、今年4月から販売が始まりました。価格は9万9,800円(税別)、取付費用は3万円程度で、現在約30車種に取り付けできます。

ナンキ工業へは事故が多発していることを受けて、ゴールデンウィーク頃から問い合わせが増えており、その大半が高齢者ドライバーやその家族からのものだそうです。また、各種メディアからの取材や自治体などからの問い合わせや視察も相次いでいるそうです。

高齢者が増える社会の安心・安全を埼玉県の企業が支え、注目を集めていることは大変うれしい限りです。

県議会でも、交通事故防止のためのペダルの踏み間違い防止装置について取り上げられました。県としても、このような安心・安全につながる装置について多くの方に知っていただくようPRするなど、少しでも事故が減るような取組を検討しなければならないと思います。