2月2日(土曜日)の日本経済新聞に「高級コーヒー『ブルーマウンテン(ブルマン)』の存在感が日本で薄れている」という記事が掲載されていました。
生産国であるジャマイカからのコーヒー輸入量が10年前に比べて6割強減り、この大部分がブルマンとみられるということです。
日本はブルマンの最大輸入国で、唯一の生産国であるジャマイカからの2018年のコーヒー輸入量は357トンでした。年間1千トン超が輸入された2008年に比べると65パーセントも少なくなっているのは、2008年のリーマンショックを機に、日本のバイヤーによる買い控えが起きたのがきっかけだということです。
ブルマンは1950年代の喫茶店ブーム時に高級品としての取扱いが増え、仕入れ値は一般的なブラジル産アラビカ種の10倍近いということです。喫茶店での1杯当たり単価はストレートで900円前後と「グアテマラ」や「キリマンジャロ」の2倍近い例もあるそうです。
国内の喫茶店数は2016年時点で約6万7千店とピークの1980年代から6割弱減り、ブルマンなどの高級品を楽しめる場は少なくなっています。
その一方で、最近は安価なレギュラーコーヒーに加え、コンビニエンスストアの低価格コーヒーなどが広がっており、コーヒー全体の輸入量は1980年に比べ2倍以上増加しています。
消費者によるコーヒー低価格志向という一面からも、可処分所得が伸び悩み、消費が弱いという日本経済の現状を感じ取ることができます。