「ホンダジェット」が快調です。本田技研工業株式会社(ホンダ)の小型ジェット機の今年上半期(1月~6月)の出荷数は24機となり、アメリカ・セスナやブラジル・エンブラエルといったライバル社を上回り、小型ジェット機の分野で初めて世界一になったそうです。
「ホンダジェット」の最大の特徴は、エンジンの位置を一般的な機体後部ではなく、主翼上面に取り付けたことです。燃費の良さや広い室内も好評で、受注を伸ばしているそうです。
航空機の開発は、ホンダ創業者の故本田 宗一郎(ほんだ そういちろう)氏の悲願でした。ホンダのオートバイのエンブレムであるウイングマークは「いつかは空へ羽ばたきたい」という願いを込めて採用されたそうです。
1962年に航空機事業への参入を宣言し、1986年から本県和光市の株式会社本田技術研究所に基礎技術研究センターを設立し、研究を開始しました。2003年に初飛行に成功し、2006年10月の全米ビジネス航空機協会ショーに出品したところ、3日間で100機を超える受注を獲得し周囲を驚かせたそうです。2015年末、米国連邦航空局から安全性のお墨付きである型式証明の認定を受け、量産を始めました。
エンジンは、和光市の航空機エンジンR&Dセンターが研究拠点です。同センターにはエンジン開発に必要な多くの研究施設が集約されており、「ホンダジェット」に搭載する小型ジェットエンジンの設計・解析や試作、組み立て、試験などを手掛けています。
航空機は自動車の何倍もの部品からなる先端技術の結集体であり、裾野産業への大きな波及効果があります。本県では、航空・宇宙分野もいち早く重点分野の一つとして、先端産業創造プロジェクトを展開しているところです。この「ホンダジェット」が本県中小企業の優れた技術を更に生かしていくものと期待しています。