2月4日(月曜日)に「渋沢栄一賞」と「渋沢栄一ビジネス大賞」の表彰式をさいたま市内で行いました。
「渋沢栄一賞」は、渋沢栄一翁の精神を受け継ぐ企業経営者として賞にふさわしい方を、日本中の商工会議所や経営者協会などから推薦していただき、選考委員会を通じて選ぶものです。企業家として優れているのはもちろんですが、社会貢献活動にどれほど尽力されているかなどが評価の対象となっていることも、この賞の特色です。
今年度は、「肉まん・あんまん」や「あずきバー」で知られ、小学生以下を対象とした食育活動などを実施されている井村屋グループの浅田 剛夫(あさだ たけお)代表取締役会長(三重県津市)。また、転倒保護帽子などの販売をされると同時に、障害者の雇用率が27.2パーセントで、しかも平均勤続年数が15年という株式会社特殊衣料の池田 啓子(いけだ けいこ)代表取締役会長(北海道札幌市)。そして、スーパーマーケット事業などを展開しつつ、奨学金として累計10億円を拠出しておられる株式会社バローホールディングスの田代 正美(たしろ まさみ)代表取締役会長兼社長(岐阜県多治見市)。以上3人の経営者の方々が選ばれました。
これまで17回開催され43人が選ばれていますが、埼玉県内の企業家は9名のみです。つまり、日本全国の優れた企業家の方々が選ばれています。
一方の「渋沢栄一ビジネス大賞」は、今後伸びる可能性を持った県内のベンチャー企業などを表彰する賞です。大賞と奨励賞、特別賞のそれぞれが「ベンチャースピリット部門」と「テクノロジー部門」に分かれており、合計6社が選ばれました。
渋沢栄一翁は「真正の利殖は仁義道徳に基づかなければ、決して永続するものでない」として、私利私欲に走った経営は社会の信用を裏切り、いつか滅びると言っておられます。
また、経営者の使命は1企業を率いることに止まらず社会を先導することにあるとして、「商工業者は文明の道を拓き、先導するものである」と述べておられます。経営者は船の進路を示すがごとく、社会の方針を指し示す気概を持つべきだ、と考えておられました。
昨今、こうした渋沢栄一翁の精神が揺らいではいないかと懸念を抱くことも多くなりましたが、今年の表彰式でもすばらしい経営者の皆さんたちとめぐり合うことができました。