私はたびたびブログや挨拶などで、筋力が貯まる「ちょきん」が人の健康に大きく影響するという話をしていますが、1月22日(火曜日)の読売新聞に「シニアこそ筋トレ」という記事が掲載されていました。それによると、近年、筋肉に対する認識が変わってきたということです。

人間の体を支え動かす筋肉ですが、何もしないでいると衰えてきます。例えば、全筋肉量の約40パーセントを占める下肢では、40代から年に約1パーセントずつ減り続け、70代半ばには20歳前後と比べ3割近くも減ってしまうということです。80代、90代では筋肉量の低下が一層加速しますので、これでは体をうまく支えられないということになります。

シニアの方は「今更そんな話を聞かされてもどうしようもない」と思われるかもしれませんが、実はいい話があります。筋肉は、どんな年齢になっても鍛えて増やすことができる、不思議な器官だということです。
適切な負荷で運動することで、90代でも筋力が12週間で174パーセント増えたという研究結果がオーストラリアで出ているそうです。

御自身の大腿部を30年にわたり分析されている筑波大学の勝田 茂(かつた しげる)名誉教授は、50歳の時よりもテニスに打ち込み筋トレを始めた70歳、80歳の時の方が、筋肉の太さ、すなわち筋断面積が増えて質のいい筋肉となっているということです。
また、プロスキーヤーであり登山家の三浦 雄一郎(みうら ゆういちろう)さんは、60代は肥満や糖尿病に悩まされていたそうですが、筋力を鍛え、70歳、75歳、そして80歳とエベレスト登頂に成功されています。

筋肉を増やすことには、更にいい効果があるそうです。筋肉を動かすことで分泌される様々なホルモンの総称である「マイオカイン」というものがあります。マイオカインにはまだ働きの分かっていないものも多いということですが、脂肪を燃焼させ肥満を解消し生活習慣病に効果があるとか、がんを抑制するなどいろいろな病気を食い止める効果があることが明らかになってきています。

やはりシニアにはちょきん(貯筋)が大切だということでしょう。
スクワットなど自宅で手軽にできることでもいいようです。やれば効果が見込める筋トレに、是非、取り組んでみてはいかがでしょうか。