「答弁を差し控える」という用語が国会で流行しています。
内閣総理大臣の「答弁を差し控える」という発言回数を調べたものがあります。
1970年代の10年間で3回、同じく80年代は8回、90年代が13回、2000年代が16回、2011年代の前半はさほどの回数ではなかったのですが、2016年から急激に増えて15回、2017回19回、2018年には41回、2019年42回、そして2020年の安倍総理が約8か月で32回、菅総理は4か月で48回にも及んでいます。

要するに俗にいうモリカケが始まってから、総理大臣の「答弁を差し控える」答えが多くなったものです。総理がこの調子ですから、参議院の委員会などで政府参考人と言われる省庁の局長などが同じように「お答えを差し控える」などと連発しています。
或いは、法案の審査をする前に課長級などが説明に来ても、どうかすると、この「お答えを差し控える」などと言う不届きな非役人がいます。

私はこの言葉を聞いたときには、即座に憲法第62条の国政の調査権を妨害してはならない、第63条の内閣総理大臣ほか関係者は国会において説明しなければならないと規定されていること、そして、第99条には、公務員は憲法を擁護し、順守することが義務付けられていることを指摘します。
さすがに、この憲法3つをいうと、答弁を差し控えると言った政府参考人も答弁をしてきたりします。
いつの間にか、国会はこの答弁を差し控えるという言葉を認めてしまっているようです。私は絶対に認めてはならないと考えています。

今、お示しした憲法の3条文、加えて第41条の立法府は国権の最高機関であるということです。個々の法律ではありません。日本国民の権利と義務が書かれた憲法ですから、これをしっかり守るのは、立法府、行政府の全ての人の義務でもあります。

私は、委員会の場で「答弁を差し控える」言った瞬間に、この憲法の3条文を打ち返しています。
念のため4月19日に行われる外交防衛委員会で、この答弁を差し控えるという内閣総理大臣の発言回数の記録と、憲法の重要な4条文を資料として、議員各位に配布したいと考えています。

答弁を控えるに慣らされてしまった同僚諸兄に対するプレゼントになるかもしれません。

参議院議員 上田清司