180の国・地域の中で、日本の「報道の自由度ランキング」が72位だという記事が5月21日の週刊東洋経済に掲載されていました。国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)が、この4月に発表した「報道の自由度ランキング」の話です。

耳が痛いのかマスメディアは、このランキング自体をあまり報じていませんが、日本は2010年の11位から年々ランクを下げていて、2016年は前年比で11ランクのダウンです。ちなみにこの72位前後の他の国々はどんな感じかというと、アフリカ諸国や南米諸国が同レベルでありまして、G7ではイタリアが加わるくらいの感じですので、民主主義大国であるはずの日本の順位としては恥ずかしいような感じがいたします。

ランキングに関連して伝えられている記事からは、国谷裕子(くにや ゆうこ)、岸井成格(きしい しげただ)、古舘伊知郎(ふるたち いちろう)3氏のキャスター降板、高市早苗(たかいち さなえ)総務大臣が番組の公平性を理由に放送局の「電波停止」を命じる可能性に言及したことなどが、今回の大幅ダウンの理由になったように思われます。

同じく記事によれば、国境なき記者団が日本の報道の自由に厳しい評価を下すのは、第2次安倍政権が2013年12月に特定秘密保護法を成立させていたことにも原因があるそうです。同法施行後、政権の機嫌を損ねぬようマスメディアが自己規制していると、国境なき記者団は考えているようです。このような厳しい評価に対して、記者クラブ制度や再販制などの既得権に守られたマスメディアがどこまで反権力的であり得るのかという、そもそもの疑問を呈する声もあるようです。いずれにしても、政権と報道の関係の在り方について考えさせられるランキングでした。