学ぶ能力というと一般的には年齢が若い時がピークと思われています。しかし、必ずしもそうとは限らないということが研究の結果分かってきたと東洋経済オンラインの記事にありました。

アメリカのマサチューセッツ工科大学の認知科学研究者、ジョシュア・ハーツホーン氏の研究によると、人間の能力のピーク年齢は能力ごとに違っているということです。
一般的に「情報処理能力や記憶力」は10代後半にピークを迎えます。確かに高校入試や大学入試のため、大量の知識を覚えなければならない受験勉強がこの年頃で行われるのはもっともに思われます。
新たに出会った人の名前を覚えるといった「名前を記憶する能力」は20代前半が最も高いということです。
人間の脳は、顔を認識し識別する特別な能力を持っているとされていますが、その「新しい顔を覚える能力」は32歳前後にピークに達するということです。
また、「集中力」は年齢とともに向上し、43歳前後にピークを迎えるということです。
一方、人の感情を読み取る「感情認知能力」は48歳前後で最もパフォーマンスが高かったそうです。いろいろな立場や経験を経て相手の感情を理解できる年齢ということでしょうか。
引き算や割り算といった基本的な計算能力は50歳でピークに達し、更に歴史的な出来事や政治的な思想といった一般的な情報を学び、理解する能力もこの頃にピークになるということです。
そして、複数の選択肢の中から答えを選ぶ、多肢選択式の語彙テストの結果、語彙力がピークに達するのは、60代後半から70代前半だと分かったそうです。

この結果をみると、「自分の能力のピークはもう過ぎてしまった」とか「もう自分は学ぶには遅すぎる」という年齢はないのかもしれません。高齢者に自信をもたらすいいネタですね。