さいたま新都心に建設中であった県立小児医療センター新病棟がいよいよ完成し、来年の1月から外来診療をスタートします。この新病棟はさいたま市岩槻区にある旧病棟の2.4倍の延べ床面積を持つことになります。また、NICU(新生児集中治療室)を15床から30床に、あるいはPICU(小児集中治療室)14床を新設するなど大幅にその機能が充実します。さらに、さいたま赤十字病院が隣接地に移転してくることで両病院の連携が強化され、救命救急における多くの課題の解決につながります。例えば、さいたま赤十字病院で赤ちゃんが仮死状態で生まれ、1秒でも早い手当が必要なときには、渡り廊下を通じてすぐに隣の小児医療センターの方に運ばれます。そして貴重な生命が救われます。
このような医療体制の充実が図られるほかに、この小児医療センター内には何と「ドナルド・マクドナルド・ハウスさいたま」が設置されます。この施設は、病気のお子さんに付き添う御家族が自宅にいるようにゆったりと過ごせるよう、自炊ができるキッチンやリビング、ダイニング、ランドリーやプレイルームを完備し、プライバシーが守られるように配慮されたベッドルームも設置された滞在施設です。運営は基本的にボランティアの皆さんが担い、運営費は主に寄付で賄われることになります。困難な病気を抱える子供たちはいろいろな方々に支えられています。御家族の皆さんたちが寄り添い、そして同じ建物の中で宿泊もされる。そして、そうした御家族の皆さんたちをボランティアの方々が支える。「ドナルド・マクドナルド・ハウスさいたま」はこうした仕組みで運営される全国で12番目の施設になります。
この県立小児医療センターはさいたま新都心に立地していることもあり、県内全域はもちろん、場合によっては北関東も視野に入れた首都圏の患者さんも受け入れる重要な存在になるものと思われます。今後、最先端の小児医療を担う中心として、今まで以上に多くの子供たちのかけがえのない生命を救い、健やかに育ってもらうために大きな役割を果たすものと確信しています。