4月11日(月曜日)に閉幕したG7外相会合の協議の内容はともかく、被爆地である広島で開催されたこと、そして先進国の主要メンバーが原爆ドームや平和記念資料館を訪問されたこと、さらに原爆投下の当事国であるアメリカのケリー国務長官が「全ての人が広島を訪れるべきだ」と大変重い言葉を述べ、沈痛な表情で広島を体験されたことなどは大変良かったと思います。
戦後の日本外交は、軍事を含めアメリカにおんぶに抱っこという形の中で、自主外交というものがなく、上手くやっているというイメージはあまり感じられません。そうした中で、今回の広島におけるG7外相会合は、会議の内容において大変意義のあることはもちろんですが、それ以上に核の悲惨さなどを主要国の皆さんに生身で感じてもらうという意味において、外務省の功績を高く評価できるのではないかと思います。
もちろん、これは広島県選出の岸田文雄(きしだ ふみお)外務大臣のリーダーシップによるものと思います。しかし、戦勝国と敗戦国という日米関係、そして戦争を終結させるためには原爆投下はやむを得なかったという考え方の下で、原爆投下についてアメリカは、まだ日本に対して謝罪してはおりません。また、武器を持たない民間の人々を一瞬にして殺りくするという行為は、国際法上でも決して許されることではありません。今回の広島での外相会合そしてケリー国務長官の広島体験が、何らかの形でアメリカにいい影響を与えることを期待するところです。