2月4日(日曜日)に放送されたNHKスペシャル「人体」第5集「“脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体」という番組の中で興味深い話がありました。最先端の脳科学を駆使して脳の神秘を解き明かす番組でしたが、その中に「ひらめき」がどのような時に生み出されるのかを探る内容がありました。

京都大学脳機能総合研究センターの協力を得て、世界最高性能のMRIを使って、ゲスト出演者の又吉 直樹(またよし なおき)さんが「ひらめいた」と思った時の脳の状態を調べたところ、その時の脳は広い領域が一斉に活動している状態になっていたそうです。

これは芥川賞作家である又吉さんに特有の状態ではなく、私たちの誰でも同じ状態に近づける方法があるそうです。
なんと意外なことに、それは「ぼーっと」することでした。

「ぼーっと」している時、脳は活動をやめているのではなく、脳の広い領域が活性化している「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼ばれる状態になっていることが最新の知見で分かってきているそうです。

このネットワークが無意識のうちに私たちの脳の中に散らばる記憶の断片をつなぎ合わせ、時に思わぬ「ひらめき」を生み出しているということでした。
脳を高速回転させて全力で仕事に打ち込むことも大事ですが、時には何も考えず「ぼーっと」することで「ひらめき」を得ることもできます。

私も公務の間にほっと一息ついた時など、「あっ、そうだ!」と思い付いて、メモを書いたりすることがあります。
ずっと「ぼーっと」していたら「ひらめき」もずっと出続けてくるのならいいのですが、そういう訳にはいかないのでしょうね。