風化させない、語り継ぐ。利根川治水をおろそかにしてはならない。

「第71回利根川水系連合・総合水防演習」に参加しました。

同演習は、昭和22年のカスリーン台風による未曾有の被害を教訓として、昭和27年から、開催されているものです。主催は、国土交通省及び関東1都6県(埼玉県・千葉県・栃木県・群馬県・茨城県・東京都・神奈川県)並びに深谷市でした。

このカスリーン台風ですが、死者1,077人、行方不明者853人、負傷者1,547人。また、埼玉県東村新川通りでは延長340mの破堤が発生し、濁流が東京都葛飾区江戸川区にまで達する未曽有の事態が起きました。引き起こされた住家損壊9,298棟、浸水384,743棟。耕地流失埋没12,927ha。また罹災者も40万人を超える惨憺たるものでした。

国力脆弱、人々の心がまだまだ落ち着かない、戦後2年目。関東地方を中心に急襲し、何より大切な命と財産を無残に奪った、この台風の記憶を風化させず、後世に語り継ぎ、利根川の治水事業の重要性をみなさんで確認していくという取り組みは、絶対に必要なことで、また大変意義深いものと思われます。

演習会場では、多くの真剣な参加者が結集され、実践的な水防訓練及び救出・救護訓練が熱心に行われました。また、降雨体験車による体験コーナー、水防新工法の展示、さらには地元物産展なども行われていました。

ちなみに、利根川は日本一広い川です。支流を含めた流域面積は約16,840km2です。埼玉県が4つも入る面積です。

↑台風などにより危険水位が上昇し、堤を越水する危機が迫る場合があります。

水防活動の重要性が再認識されます。