昨日に引き続き、東日本大震災の被災地視察について御報告します。

 12月4日(金曜日)には、福島県市内の応急仮設住宅や復興公営住宅を視察しました。さらに、除染作業が行われていて帰還困難区域になっている手前にある浪江町のゲートまで行ってきました。ゲート近くでは、確かに放射線量は高い状況でした。

 表土を削る除染作業も大変困難を伴う作業だと改めて思いました。平地はともかく、山林部などでは雨が降るたびに土砂が移動するので、その都度また表土を削らなければならないそうです。こうした作業も、現在は人海戦術で行われていますが、技術的にもっといい方法があるのではないかと思います。

 視察の後、内堀雅雄(うちぼり まさお)知事と会談しました。汚染地域の表土を削る作業しかり、福島第一原子力発電所の汚染水処理もしかり、まだまだ本当の意味で課題が終息したわけではないことを改めて認識しました。

 風評被害に悩まされた桃をはじめとする特産の果物についても、検査をした上で何の問題もないことを消費者に知ってもらい、ようやく売上げが回復しつつあっても、福島原発の汚染水が外に漏れたという報道があるだけで、あっという間に元に戻ってしまう事態が依然として起こっています。

 全国知事会の東日本大震災復興協力本部長として安倍総理にはっきりと申し入れたように、汚染水の処理などは東京電力に任せるのではなく、政府が責任をもって解決を図っていただきたいと思います。
 いずれにしても、基礎的なインフラは徐々に整いつつありますが、まだまだ大きな課題は解決していません。
 来るべき2020年の東京五輪は正に「復興五輪」でもあります。東日本大震災の被災地がしっかりと復興した姿を全世界に発信する。このことが重要だと考えています。