埼玉県では、本年4月から小学4年生から中学3年生を対象に本県独自の学力・学習状況調査を実施しています。この取組がOECDでも注目されています。去る11月13日(金曜日)、ワシントンにおいて「アメリカアチーブス」という国際的なNPOの年次会議がありました。アメリカ、イギリス、スペインのPISA(OECDの学習到達度調査)関係者が集まり、OECD教育スキル局長のアンドレア・シュライヒャー氏も参加しました。この会議に埼玉からも是非参加してほしいという依頼があったので、教育政策課長が参加して埼玉県学力・学習状況調査の取組について発表しました。

 本年4月にOECDの協力の下、21世紀に必要な教育を調査研究し、日本国内での実践を積み重ねる目的でOECD日本イノベーション教育ネットワークISN(Japan Innovative Schools Network supported by OECD)が発足し、鈴木寛(すずき ひろし)文部科学大臣補佐官がチェアマンを務めることになりました。このISNに「アメリカアチーブス」から招待があり、埼玉県学力・学習状況調査を高く評価していたISNから参加依頼があったわけです。ちなみに、埼玉県はISNが推進するOECD・文部科学省共同研究にボランタリークラスター(公式メンバーに準じる立場)として参画しており、埼玉県学力・学習状況調査の経過を随時報告する予定です。

 OECDでは、日本の教育が「知」・「徳」・「体」全体を向上させていることに高い関心を持っています。こうした中、埼玉県ではこれまでの取組を通じ、「徳」と「体」を向上させてきました。
 例えば、文部科学省が実施する全国学習・状況調査では、生活習慣や家庭生活、地域との関わりなどの調査が行われています。その結果を民間のシンクタンクが分析して「いい子が育つ都道府県ランキング」として3年に一度、発表しています。その直近(平成25年)のランキングでは、本県は全国4位とトップレベルになっています。平成19年度では16位でしたので、道徳観や規律ある態度では、埼玉の子供は着実に向上していると言えると思います。

 こうしたことに加え、本県が更に学力の分析をしっかりやって、学びを改革し、学力や意欲を伸ばそうとしていることが評価されたわけです。埼玉県の学力・学習状況調査が、国内だけでなくOECDにおいても関心を持たれ、評価されているということであります。

 全国学力・学習状況調査は、小学6年生と中学3年生を対象にしていますが、それぞれの時点の現状を把握する調査であり、一人一人の伸びを把握しているわけではありません。一方、本県独自の学力・学習状況調査は、子供の一人一人の学力の伸びを小学4年生から中学3年生までの6年間かけて継続して把握し、どのような指導が学力を伸ばすのかを分析していこうという試みです。単純に点数や順位を付けていくだけではありません。正に、子供の学習の意欲、あるいは学力や学習意欲の伸び方などについてしっかりとデータを把握し、その分析結果に基づいて教育を進めていこうという日本で初めての画期的な試みです。

 こうしたことに、県が今取り組んでいることを県民の皆様にも御理解いただきたいと思います。