日本で初めて動力飛行に成功した飛行機「アンリ・ファルマン機」を御存じでしょうか。
フランスで製作された「アンリ・ファルマン機」は、明治43年に旧陸軍の演習場「代々木練兵場」(現在の東京・代々木公園周辺)を用いて飛行実験が行われました。
翌年の明治44年には、日本初の飛行場「所沢飛行場」が開場しました。この飛行場での初フライトは徳川 好敏(とくがわ よしとし)大尉の操縦する「アンリ・ファルマン機」で、高度10メートル、飛行距離800メートル、飛行時間1分20秒を記録しています。
これを皮切りに、所沢飛行場は操縦訓練、整備技術訓練、さらには飛行機の製造や開発に至るまで日本の航空技術の中核を担うようになりました。所沢からパイロットや航空に関わる人々、そして技術が日本中に広がっていったため、所沢は「航空発祥の地」と呼ばれています。
「アンリ・ファルマン機」は所沢飛行場で本格的な飛行訓練に使われた後、アメリカ空軍の博物館や東京にあった交通博物館での展示を経て、平成20年からは航空自衛隊入間基地で保管されていました。
このたび、4月11日(木曜日)のブログでも紹介した「フランス航空教育団来日100周年」を記念して、航空自衛隊の御協力の下、所沢飛行場の跡地に建つ所沢航空発祥記念館に展示されることになりました。
同記念館では、入間基地から一旦分解し運び入れた「アンリ・ファルマン機」の機体の組立て作業を、本日7月19日(金曜日)から7月31日(水曜日)まで公開します。
8月1日(木曜日)以降は、組み立てた「アンリ・ファルマン機」を展示します。
機体の組立て作業を見学できる機会はなかなかありません。75年ぶりに所沢に里帰りする往年の機体を前に、古(いにしえ)の空へ思いをはせてみてはいかがでしょうか。
所沢航空発祥記念館 (外部サイト)