埼玉県浦和競馬組合は私が知事に就任した時、累積赤字が23億円という散々たる状況でありました。
この組合には県議会から5人、さいたま市議会から3人の計8人で構成される埼玉県浦和競馬組合議会という議会があります。そして、私が管理者に、さいたま市長が副管理者になっており、実質的に埼玉県とさいたま市が共同で運営をしています。

この23億円の累積赤字も5年間で解消し、その後約61億円の累積黒字を出しています。この間、埼玉県とさいたま市に配分金も納付しており、その合計が26億4,000万円で、合わせると15年間で実質87億円以上の黒字となります。

私は、組合の管理者になった時に職員や関係の皆さんに「公営競技という名をいただいているが、これは賭博行為です。賭博行為は刑法第185条において罪を問われることになっています。なぜ公営競技が刑法の適用除外になっているかと言えば、収益を出してそれを公的なものに還元するからにほかなりません。したがって、赤字になっているようでは、本当は『御用』となり、牢屋に行っていただくことになります。」という説明をしました。

基本的に、公営競技という名の下で公が賭博を行う理由は、一つは地下に潜って行われたりするのを防ぐため、もう一つはしっかり収益を上げて公に還元するためです。したがって、還元ができないのであれば何のためにやっているのかということになります。

少し乱暴なことを申し上げましたが、私の言葉をきっかけに皆さんが気持ちや考え方を切り替えたことで、このような成果につながったわけです。議会の皆様に御理解をいただき、また地元の住民の皆様にも御協力いただいて、今や全国の中でも極めて健全運営で大変有用な競馬場になりました。