埼玉県の環境政策を世界銀行主催の会議で発表する機会が与えられました。
世界銀行は気候変動対策をテーマにした国際会議を毎年開催しています。
今年の会議は、6月7日(金曜日)に「温室効果ガス削減対策における市場の活用」をテーマにシンガポールで開催されます。そこに埼玉県環境部の安藤 宏(あんどう ひろし)副部長が出席し、埼玉県が行っている排出量取引制度の仕組みや成果などを発表することになりました。
埼玉県以外のパネラーは、東京都の排出量取引専門委員会、韓国(環境公団)、中国(清華大学エネルギー環境経済研究所)です。
埼玉県はCO2排出量の約二分の一を産業・業務部門が占めており、これを削減するために2011年度から目標設定型排出量取引制度を導入しました。この制度は、エネルギーを多く使用する企業ごとに県が二酸化炭素の削減目標を定め、これを達成することができなかった企業は、未達成となった分の二酸化炭素の削減量を、十分に達成した企業から一定の対価を払って取得(取引)するという仕組みです。これによって、自らの責任を果たしていただき、全体として大きな削減を達成しようというものです。
産業界・経済界との間で丁寧な協議を重ねて制度設計を行うとともに、事業所に適切なサポートを行っています。これにより、罰則による担保がなくても、事業者自らが高い意識をもってCO2削減を進めており、目標削減率を大きく上回る成果が出ています。
会議では、こうした取組状況と成果などについて発表します。
また、同じ日には、「炭素市場への参加の経験から得られたこと」というテーマで民間企業の優れた取組が発表される会議も開かれます。こちらには埼玉県北本市の関東グリコ株式会社がパネラーとして参加します。他のパネラーは、森ビル株式会社、中国の電力会社、韓国の電力会社となっています。
このような世界銀行主催の国際会議に、埼玉県が東京都と並んで日本で最も優れた環境政策を行っている自治体として招かれ、発表が出来るということに誇りを感じます。