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日本銀行の関根 敏隆(せきね としたか)調査統計局長は、「サザエさん」に登場する磯野波平さんと比べると今の日本人ははるかに若くなっていると指摘し、社会保障制度などを適応させていくことが高齢化問題の処方せんにつながると提案しています。

4月9日(火曜日)にブルームバーグ・ニュースで配信された記事から紹介させていただきます。

生物学年齢を測る最も単純な指標として、よく死亡率(人口100人に占めるその年の死亡者の割合)が使われます。利用可能な1947年の統計では「波平さん」と同じ54歳の死亡率は1.7パーセント。2016年で同じ死亡率なのは74歳。つまり、その時代の54歳の「波平さん」と現在の74歳は生物学年齢が同じだということになります。

また、大阪万博が開かれた1970年の65歳と2016年の77歳の生物学年齢は同じ。死亡率は共に2.3パーセント。1970年から2016年の46年間で12歳若返ったとも言えそうです。

老年学者の調査では、2017年の70~74歳の平均的な歩く速度は10年前の5歳若い年齢層と一緒で、2016年の75~79歳の平均的な歯の数は11年前の10歳若い年齢層と同じだそうです。

運動や食生活の改善などの健康的な生活に対する意識の高まりや、医療の進歩により、日本の高齢者が若返っていることはもう既に皆さんも実感されているのではないでしょうか。

生産年齢人口(15歳~64歳)100人で何人の高齢者(65歳以上)を支えているかを示す老年人口指数は、1955年の10パーセントから2015年には45パーセントに上昇していますが、1970年の65歳を基準とした生物学年齢でみるとほぼ横ばいで推移しているとのことです。

年金支給開始や退職の年齢など、実年齢を基準とした様々な制度は現実に起きている若返りの変化に適応していない可能性もあります。関根局長は、退職年齢が実年齢ではなく生物学年齢に応じて設定されれば、社会保障制度の持続可能性の問題は雲散霧消すると指摘しておられます。
平均寿命の上昇に対する最適な解は「人生における働く期間をそれに応じて増やすことに他ならない。長生き自体が問題なのではなく、それに適応する制度をつくってこなかったことが問題だ。」とも述べています。

私も同感です。こうしてみると、現状認識としてあまり「高齢化!高齢化!」と騒ぐ必要はないのかもしれません。まだまだ元気な高齢者が社会で活躍できるような仕掛けを工夫していくことが大切なのです。

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