3月11日(月曜日)の日本経済新聞に、埼玉の意外な1番が紹介されていたので御報告します。
日本で米どころといえば新潟県や秋田県、山形県などを連想する人が多いと思います。ですが、収穫された米を食卓に並ぶ白米の姿に加工する「精米」の出荷額では、実は埼玉県が全国トップなのです。

経済産業省の工業統計によると、2016年の精米(破砕米を含む)出荷額は埼玉県が724億円。全国の1割以上を占め、第2位の愛知県(599億円)や第3位の北海道(553億円)を引き離しているということです。

このことについて、日本精米工業会の担当者は「白米の鮮度維持と物流環境が関係している」と解説しています。
収穫した米からもみ殻やぬかの層を取って白米にすると酸化が進みます。このため、各産地から玄米の状態で運び消費地に近い地域で精米するのがおいしい米の流通に最も合理的だということです。東北や新潟の米産地と高速道路1本でつながり、大消費地である首都圏に位置する埼玉県はやっぱり陸運の王者、「陸王」ですね。

一方、農林水産省の調査では、埼玉県の水稲収穫量(2018年)は全国第19位となっています。米産地の印象は薄いかもしれませんが、生産者を後押しする取組を官民で行っています。
その一環として県が開発した県産米「彩のきずな」は、17年産が日本穀物検定協会の食味ランキングで初めて最高評価の「特A」を獲得しました。残念ながら18年産は猛暑も響いて「A」評価となりましたが、実力は折り紙付き。来年また挑戦です。