ヤフー株式会社が、スマートフォンアプリ「Yahoo! JAPAN」を活用して、昨年8月30日(木曜日)から9月30日(日曜日)にかけて「全国統一防災模試 台風・豪雨編」を実施しました。この防災模試は、震災の記憶の風化を防ぎ災害への備えの重要性を啓発することを目的としており、昨年3月には地震をテーマとした第一弾が実施され、今回はその第二弾でした。

設問は、台風・大雨や洪水の知識を問う全25問(100点満点)で構成されています。「短時間に強い雨をもたらす危険性が高い雲は何か(答えは積乱雲)」といった学校の授業で習う知識を問うものや、「都市部の河川や下水道が許容できる1時間当たりの降雨量は何ミリ(答えは50ミリ)」といった専門知識、「土のうの代わりになるものを作るのに最適なものを3つ選べ(答えは段ボール箱、水、ごみ袋)」といった防災訓練経験者なら分かる具体的な知識やノウハウなど、多岐にわたっています。

約41万人が最後まで解答し、年代別では40代が最も多く全体の32パーセントを占めました。次いで30代、50代、20代、10代以下と続き60代以上が7パーセントと最も低い状況でした。これは、スマートフォン用アプリで問題が提供された影響と思われます。
なお、男性48パーセント、女性52パーセントと性別による違いはあまり見られません。

平均点は57.19点で、都道府県別の結果も公表されています。第1位から第10位までを成績順に並べると、高知県、熊本県、広島県、徳島県、三重県、岡山県、宮崎県、宮城県、大分県、鳥取県という結果だったということです。

やはり、台風の多い九州・四国地方及び平成30年7月豪雨で甚大な被害のあった地域の人々は、過去の災害経験から防災知識が高い傾向にあることが分かります。成績上位のほとんどの県は、参加率(対人口比)も全国平均(0.32パーセント)以上ですので、防災意識の高い人も多いといえそうです。
その一方で、台風の通り道となることの多い沖縄県が平均点、参加率ともに全国最下位という不思議な結果も出ています。もしかすると、強風や大雨に慣れっこになっているのかもしれません。

ちなみに、埼玉県は第41位で56.44点でした。第39位が東京都、第40位が神奈川県と3都県が並んでおり、首都圏の防災知識は他の地域と比べ低い傾向にあることが分かります。災害経験の少なさによると考えればやむを得ないともいえますが、県としては防災意識の一層の向上に努める必要性を感じる結果です。