秩父地域の郷土料理に、地元の猟師が仕留めたイノシシの肉を使った鍋料理である「ぼたん鍋」があります。
地元の野菜と味噌味のダシで煮込んだイノシシの肉は、ぷりっとした弾力があってとてもおいしく食べられます。

「ぼたん鍋」の名前の由来には諸説あるそうです。一つは、堂々たる獅子の姿に華麗なぼたんの花を配した伝統的な図柄を指す「獅子に牡丹」の「しし」を「いのしし」に読み替えたしゃれに由来するというものです。
一方で、「イノシシの肉の色がぼたんの花の色に似ているから」という説や、「イノシシの肉を煮込むと脂身が縮れてぼたんの花のようになるから」という説もあるそうです。

埼玉県にはぼたんの名所があります。東松山市の「箭弓(やきゅう)稲荷神社ぼたん園」や「東松山ぼたん園」では、毎年4月中旬から5月上旬にかけて、色とりどりのぼたんの花が咲き誇ります。

正に亥年の今年は、是非ともぼたん鍋とぼたんの花を両方楽しんで、肉と花が似ているかどうか確かめてみてはいかがでしょうか。