11月28日(土曜日)に埼玉県農業大学校創立70周年の記念式典がありました。埼玉県農業大学校は1945年、正に終戦の年に農村中堅青年の養成を目的に、埼玉県立農民道場として当時の鶴ヶ島村に発足しました。2年後に埼玉県立修練農場に改称するなど、その後、時代の要請に応えた改組等を重ねてきました。1973年には埼玉県農業経営大学校に改組し、1985年に現在の埼玉県農業大学校になりました。そして、今年4月、隣接の埼玉県農業技術研究センターなどと連携するメリットもあって、現在の熊谷市に移転をしました。

 この農業大学校の校舎は、ほぼ全て木造で出来上がっています。木造建築物の技術の粋を集めて作られた教室や講堂、学生寮などで、環境に優しく、木の香り漂う大変気持ちの良い空間が形成されています。

 農業改良助長法に基づく農業者研修教育施設であることに加え、学校教育法に基づいた専修学校であり、2年課程と1年課程が設置されています。2年課程には野菜、水田複合、花植木、酪農の各学科があり、卒業生には「専門士」の称号が付与されます。1年課程の短期農業学科は、短期野菜専攻と有機農業専攻を選択することができます。高いレベルの農業技術を習得することができ、進路については、卒業後に就農される方はもちろん、農業関係の企業や大規模で有力な農業法人などに就職される方が数多くいます。また、そうした会社で経験を積んだ後に家業の農業を継いで専業農家として活躍される場合も多くあります。

 現在、本県で活躍されている有力な農業経営者の方々の中には埼玉県農業大学校の卒業生がたくさんおり、本県農業の振興に大きな役割を果たしておられます。これからも、埼玉県農業大学校が本県農業をけん引するリーダーを数多く輩出されることを大いに期待しています。