今年は猛暑や豪雨、12月の記録的な暖かさなど異常気象が続いています。中でも夏の暑さは「災害」と表現されるほどで、熊谷市では国内最高気温となる41.1度を記録しました。
この暑さの原因は関東地方の地形にあるのではないかという話を、10月23日(火曜日)の東京新聞の記事で読みました。
国内最大となる1万7千平方キロメートルもある関東平野は、夏の日差しが強くなると気温がどんどん上昇します。一方、関東平野の南と東側を囲む海水の温度は、陸地ほど上昇しません。この温度差によって、海から陸に向かって吹く海風が生じるのだそうです。
この海風は、海から取り込んだ水分をたっぷり含んでいます。これが都市部を通過するとヒートアイランド現象で生まれた熱を取り込んで、温度と湿度の高い空気となるそうです。
神奈川県や千葉県を通り、暑い東京都心を抜けて高温多湿となった海風は埼玉県や群馬県に到達します。この風が熊谷市をはじめとした関東平野の北部や北西部の都市に猛暑を引き起こしているという話です。
今年は夏の高気圧である「太平洋高気圧」に加えて、より上空に「チベット高気圧」も張り出してきたため、この「ダブル高気圧」によって猛暑に拍車がかかったといいます。こう聞くだけでも何だか汗が出てきそうな気がします。
2年後に東京オリンピック・パラリンピックを控え、異常気象は大きな課題です。気象や地形を人間の力でコントロールすることは困難ですが、その仕組みを知り、ヒートアイランド対策などを実施することの重要性を改めて認識しました。