7月22日(日曜日)の東京新聞に、難聴の方にも聞こえやすい「音のバリアフリー」のスピーカーが注目されているとの記事が掲載されていました。

東京都台東区浅草橋にある株式会社サウンドファンが開発した、「曲面振動板」を使用した「ミライスピーカー」というものです。佐藤 和則(さとう かずのり)社長が、高齢で音が聞き取りにくくなった父親のために何かできないかと一念発起。宮原 信弘(みやはら のぶひろ)副社長と一緒に研究を進め3か月で起業されたそうです。

難聴の高齢者はオーディオスピーカーより蓄音機の音の方が聞こえやすいというヒントから、スピーカーの振動板を湾曲させることを思い付いたそうです。
従来のスピーカーに比べ曲面振動板から出た音は距離があっても拡散せず、音の大きさや明瞭さが衰えにくいことが分かったそうです。既にミライスピーカーは空港や駅、銀行、市役所などを中心に導入され、これまで約1,500台を売り上げたとのことです。私も実際にその音を聞きましたが、非常に明瞭で聞き取りやすいものでした。

埼玉県では平成26年度から、大学などの先端的な研究シーズと企業の優れた技術をマッチングし、実用化・製品化・事業化を強力に支援する「先端産業創造プロジェクト」を推進しています。ミライスピーカーは同プロジェクトで製品化を支援した商品の一つです。
佐藤社長、宮原副社長ともに60歳以上のシニア世代ですが、意欲だけでなく技術もすばらしく、改めて日本の底力と技術力を認識しました。