秩父鉄道株式会社が、6月16日(土曜日)から面白い入場券を発売しています。古銭の和同開珎(わどうかいちん)を形どった、直径7センチメートルの円形で中央に四角い穴が開いたものです。「和銅黒谷(わどうくろや)駅記念入場券」として限定販売されています。

実は、秩父市の黒谷(くろや)という場所は、和同開珎にゆかりのある場所です。西暦708年に武蔵国秩父郡(現在の秩父市黒谷)で自然銅が発見され、朝廷に献上されました。元明(げんめい)天皇はこれを祝して年号を「和銅」と改元し、その年に「和同開珎」が発行されました。
「和」とは、「にぎ、にき」とも読み、やわらかい、ととのったという意味もあるそうです。それだけ純度の高い銅であったという話です。

この「和銅黒谷駅」は、以前は「黒谷駅」でしたが、平成20年に和銅の朝廷献上1300年を記念して駅名が改称されました。和銅黒谷駅から歩いて15分ほどの沢沿いに、「和銅採掘天然掘り跡」があります。地層の割れ目から吹き出す形で自然銅が露出した場所で、当時の面影をそのまま残しているそうです。その近くには巨大な和同開珎のモニュメントもあり、記念撮影を行うにはもってこいの場所です。

また、近くには聖(ひじり)神社という和同開珎にゆかりの神社もあります。聖神社は和銅元年に創建され、元明天皇から下賜(かし)された和同開珎などが収蔵されています。別名「銭神社」と呼ばれるほどで、金運を高めるパワースポットとして注目を集めているようです。

秩父には自然や歴史などたくさんの魅力がありますが、和同開珎ゆかりのスポットにも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。皆さんの金運もアップするかもしれません。