一般財団法人日本総合研究所の寺島 実郎(てらしま じつろう)会長の監修による「全47都道府県幸福度ランキング2018年版」が発表されました。
2012年から2年に1回調査を行い、今回の発表で4回目となります。
このランキングは地域及び日本人の幸福感に根ざした「アクション」を示唆することを目指し、5つの基本指標と65の分野別指標(健康、文化、仕事、生活、教育)で都道府県の順位付けを行っています。個別の指標の中にはサンプル調査を使っているものなどもあり、細かく見れば、いろいろと議論もあるのでしょうが、大枠の評価にはきちんと向き合わなくてはならないと思っています。
埼玉県の総合順位ですが、2018年版の総合順位は第15位でした。2012年が第21位、2014年が第16位、2016年が第17位ということですので、若干の上げ下げはありますが、基本的に上昇傾向となっています。
2014年以降のランキングは、第1位が福井県、第2位が東京都と変わっていません。これに続いて長野県、富山県、あるいは石川県などが上位を占めています。
そうした中では、今回第14位から一気に第6位まで上がってきた山梨県が気になるところです。山梨県は健康寿命でも第1位に躍り出ていることから、これから躍進の理由を分析していきたいと思います。
さて、本県の状況ですが2016年との比較で、健康分野では第38位から第27位に上がってきています。とりわけ「健康診査受診率」が第26位から第16位、「スポーツの活動時間」が第36位から第7位に上昇したことなどがプラス要因のようです。
「文化」の分野では、「書籍購入額」が第24位から第8位。また、「語学教育にかける金額」が第6位から第1位となっています。一方、「余暇時間」が第36位から最下位の第47位となりました。これは褒められたものではありません。正に働き方改革と余暇時間をどう生かすかという課題が表れています。
「仕事」の分野は順位を下げています。「大卒者進路未定者率」が第44位から第37位に上昇したものの、「高齢者有業率」が第9位から第18位へと落ち込みました。
また「教育」の分野は第14位から第12位でということで、さほど大きな変化はありません。
追加指標の中で、「勤労者世帯可処分所得」は第6位から第1位ということでした。個人の可処分所得が増えているということは、それだけ自由なお金が使えるという意味で良いことだと思われます。
全般的にプラスの傾向ですが、それでもいくつかマイナスの部分があります。このマイナスの部分をよく分析しながら、政策的に課題があるものはしっかり解決のために努力しなければと考えています。
ちなみに、政令指定都市の幸福度ランキングもあります。我がさいたま市は前回は第1位、今回は第2位ということで相変わらず総合ランキング上位を保っています。ちなみに今回の第1位は浜松市でした。