5月21日(月曜日)に、毛呂山町にある「くらしワンストップ MORO HAPPINESS(もろ ハピネス)館」という大変興味深い施設を訪問しました。平成29年10月に開設された医療・福祉・介護の相談に、正に「ワンストップ」で対応できる全国的にも珍しい施設です。

4階建ての建物の1階は、「健康ふれあいフロア」です。総合案内のコンシェルジュのほか、フィットネスゾーンがあり、地元の高齢者を中心とする皆さんの体力増進や、スポーツ関係者の筋力トレーニングなどが可能な器具が備え付けられ指導者もいます。
さらに、この施設に来られた方たちが談笑できるコミュニティカフェもあります。

2階は「クリニックフロア」です。毛呂山町、越生町で初めての在宅療養支援診療所となる「HAPPINESS館クリニック」があります。内科、整形外科の外来診療のほか、在宅療養されている患者の訪問診療も実施しています。

3階は「相談支援フロア」です。医療・福祉・介護サービスを一元的に提供する仕組みができあがっていて、地域の高齢者などの住み慣れた自宅での生活を支援しています。
医療のコーナーには、埼玉医科大学の訪問看護ステーションが入っており、毛呂山町、越生町の委託事業として在宅医療相談室も開設されています。また、県の委託事業である認知症疾患医療センターもあります。福祉・介護のコーナーには居宅介護支援事業所があり、毛呂山町から委託された地域包括支援センターの支所も入っています。

4階は「学びのフロア」です。「カルチャー講座」や「健康市民講座」などが開催され、地域の皆さんが生涯学習を行えるようになっています。

この施設がどのように利用されているかと言えば、例えば、「認知症の妻を介護している夫にも認知症の疑いがあり、共倒れするのではないか」という通報が地域住民から行政にあったとします。そうすると、まずその情報が行政から1階の総合案内のコンシェルジュに入ります。そこから関係する3階の居宅介護支援事業所や認知症疾患医療センターなどに連絡が行き、必要な支援をするという仕掛けです。
「くらしワンストップ MORO HAPPINESS館」は、地域包括ケアシステムのひとつの完成形を示していると言えるかもしれません。

このように様々なサービスを一元的に提供する施設が県内の各地域にあれば最高ですが、なかなかそうもいかないでしょう。それぞれの機能が地域の中に分散している場合には、それらを結びつけるネットワークが必要だということを、改めて痛感したところでもあります。