3月1日(木曜日)にテレビ東京の「カンブリア宮殿」という番組で、「観光列車王国!JR九州 逆境をバネに挑む 新たな鉄客商売」が放映されました。
1987年に日本国有鉄道(国鉄)が分割民営化された時、JR北海道、JR四国、JR九州のいわゆる「JR三島(さんとう)会社」は、地域の人口が少ないため鉄道事業では経営が成り立たないと言われていました。
JR九州の唐池 恒二(からいけ こうじ)代表取締役会長は、鉄道事業だけでは会社が立ち行かないということを受け入れて、船舶、外食、農業などの非鉄道業で収益を出していくことに奮闘したそうです。その結果、非鉄道業は営業収益の6割を担うまでに成長しました。
また、九州の観光全般を盛り上げる起爆剤にしようと、JR九州では鉄道を単なる移動手段から九州の観光資源へとバージョンアップさせる観光列車を次々と投入しました。
現在では予約倍率が20倍という人気を誇る豪華クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」に代表されるように、この企画は観光列車の一大ブームを起こしました。
「ななつ星 in 九州」以外にも、特別なデザイン(Design)と地域に根ざしたストーリー(Story)を兼ね備えた「D&S列車」を投入しました。湯布院の魅力を表現した「ゆふいんの森」や竜宮伝説をテーマにした「指宿(いぶすき)のたまて箱」などが好評で、現在12種類が運行されています。
現代は「コト消費」というように、何かを体験したり、地元の人と触れ合ったりする時間を楽しむ旅行が人気となっています。
観光列車はその乗り心地だけでなく、地域の食材をふんだんに使った食事や乗務員のきめ細やかなサービス、立ち寄り先での地元の人々とのふれあいも魅力です。
本県でも西武鉄道のレストラン列車「52席の至福」や秩父鉄道のSLパレオエクスプレス号が運行されています。
車窓からの景色を眺めながら地域のおいしい食事を味わっているときなど、列車での旅行は本当に「旅らしさ」を感じられますね。