昨日、「情」と「理」「義」と「恕」のお話をさせていただきました。私が尊敬する渋沢栄一翁の子孫である渋澤 健(しぶさわ けん)さんのレターが心に残りました。
渋澤さんによれば、なんと、渋沢翁も私が言うところの「情」と「理」、あるいはまた江利川 毅(えりかわ たけし)さんが言うところの「義」と「恕」のようなお話をされているということです。

『渋沢栄一訓言集 処事と接物』の中の言葉です。
「人は消極的に悪事をなさぬというだけでは、物足らないのである。積極的に多く善事をなさねば、人たる価値はない。悪事はなさぬだけで、善事を行い得ぬ人ばかりでは、世の中の進歩はできない。」

コンプライアンスといった法令を順守することは大切です。しかし、これだけでは「人たる価値はない」、これだけでは「世の中の進歩はできない」というこの言葉は、正に本質を突いていると私は思います。

悪いことはしていない。しかし、善いこともしていない。それでは物足りないということです。悪いことをしていなければ、それでいいではないかという考えもあるかと思いますが、世間には悪いことをする人もいますので、善いことをする人がいないと世の中のつり合いがとれません。
世の中を進歩させるためにも、できるだけ善いことをしたいものですね。