川口市にある芝園(しばぞの)団地自治会が、多文化共生の先進団体として、1月に独立行政法人国際交流基金の「地球市民賞」を受賞しました。全国から3団体が選ばれています。また、2月には県の「埼玉グローバル賞」も受賞し、団地内で日本人と外国人が共存する姿に全国から注目が集まっています。

芝園団地は2,454戸のマンモス団地として今から40年前の1978年に完成しました。1990年代後半から外国人住民が増え始め、2009年には住民の約4割が中国人を中心とした外国人となりました。
外国人住民の増加に伴い、生活習慣の違いなどからゴミを分別しなかったり、夜中に爆竹を鳴らしたりとトラブルが相次ぎ、言葉も通じないため住民の間に不満が蓄積していったそうです。新たな入居者のほとんどが外国人であり、団地に長年住んでいる日本人住民との相互理解は進みませんでした。

そうした中、芝園団地自治会は住民の不満を解消しようと、外国人住民に自治会役員を担ってもらったり、大学生ボランティアの「芝園かけはしプロジェクト」と協働して外国人住民向け自治会パンフレットを作成するなど、少しずつ状況を改善してきたそうです。
国際交流というと外国人住民はお客様として参加するのが一般的ですが、ここ芝園団地では外国人住民が主体となって活動する取組を進めています。中国人住民が先生になり中国語教室を開催したり、イベントで水ギョーザを出店したり、中国の遊びを披露したりしています。正に多文化共生の好事例です。

現在、国内の在日外国人数は約247万人、本県にも約16万人の方が住み、県民のおよそ45人に1人は外国人住民です。訪日観光客だけではなく、日本に住み、働く外国人は増えています。
日本人住民と外国人住民の交流が進む芝園団地の取組は、日本の多文化共生の成功モデルとしても参考になるかもしれません。