「飲酒がもたらす健康への影響」として、厚生労働省のホームページには「飲酒は、意識状態の変容を引き起こす。短時間内の多量飲酒による急性アルコール中毒は、死亡の原因となることがある。肝疾患、脳卒中、がん等多くの疾患がアルコールと関連する。長期にわたる多量飲酒は、アルコールへの依存を形成し、本人の精神的・身体的健康を損なうとともに、社会への適応力を低下させ、家族等周囲の人々にも深刻な影響を与える。」などの警告が掲載されています。
飲み過ぎが体に悪いことは誰でも知っています。一方で、適量の飲酒がもたらしてくれる健康への御利益も知るべきだという話が、月刊総合情報誌『選択』2017年10月号に掲載されていました。

例えば、適量の飲酒は認知症に対して効果を示すそうです。ハーバード大学の研究者の報告によると、酒を全く飲まない人と飲酒をする人で比較したところ、一週間あたりビールに換算して中瓶半分から3本ほどの飲酒をする人が、最も認知症のリスクが低かったといいます。

また、飲酒は肥満の原因と考える方も多いと思いますが、実は適量の飲酒をする人は飲まない人に比べて肥満が少ないという研究報告もあるそうです。
さらに、男女ともに適量の飲酒をする人は、飲まない人より10年後の体重増加が少なめだったという調査も紹介されています。もっとも、長期間にわたって適量以上の飲酒を続けている人は肥満率が高くなり、また、アルコール依存症の人は痩せている人が多いそうです。

人類は約1万年間にわたり発酵飲料を飲んでいるそうです。狩猟採集民の社会では、発酵飲料を潤滑剤として、一緒に働くグループを持つことができたという説もあるといいます。こうしたことから、飲酒は人類の文明の発展に貢献してきた、と記事では述べています。

まあ、酒好きな人はいろいろと屁理屈をこねて飲む口実を作りますから、こうした研究報告を喜んでいることでしょう。これもまた精神的にも良いということになるのではないでしょうか。