重量挙げ競技用のバーベルを製造する国内唯一の鉄工所が、実は、本県八潮市にあることが8月21日(月曜日)の毎日新聞に紹介されていました。
緻密(ちみつ)な設計によるバランスの良さが評価され、これまで6回の五輪で使用されたバーベルを製造したのが、有限会社笠巻鉄工所です。鉄工所の3代目である長谷川 健吾(はせがわ けんご)さんは、確かな技術に裏打ちされた品質で、2020年東京五輪での採用を目指しておられます。
この鉄工所は、長谷川さんのおじい様が1950年頃に設立され、国際重量挙げ連盟(IWF)公認メーカーの一つ、株式会社ウエサカティー・イー(東京都墨田区)の下請けとして長年バーベルを製造してきたそうです。
国際大会で使用するバーベルは、IWFがその都度、公認メーカー1社を採用します。ウエサカは、1964年の東京五輪のほか、1988年のソウルから2004年のアテネまで5大会連続で選ばれているそうです。
長谷川さんは、お父様と勤続50年を超える社員との3人で年間約1000本のバーベルを手掛けているそうです。指先の感覚を大事にする一流選手はバーの太さのわずかな違いも感じ取るため、持ち手部分は0.1ミリ単位で調整するそうです。
1964年の東京五輪では、おじい様が作ったバーベルで三宅 義信(みやけ よしのぶ)選手が金メダルに輝いています。ちなみに、三宅 義信さんは、新座市出身で女子重量挙げロンドン五輪銀メダリスト・リオ五輪銅メダリストの三宅 宏美(みやけ ひろみ)さんの伯父にあたる方です。
近年の国際大会では、安価な中国メーカーに押され気味だそうですが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは是非とも長谷川さんたちが手掛けたバーベルが持ち上げられることを期待しています。思わぬところに、ジャパンクオリティがありました。