来年のNHKの大河ドラマは、『西郷(せご)どん』です。西郷 隆盛(さいごう たかもり)は、郷土鹿児島県のみならず、日本中で人気のある偉人として知られています。

西郷と関わりの深い人物は数多くいます。英明な君主であった薩摩の島津 斉彬(しまづ なりあきら)公。西郷とともに「維新の三傑」と言われた、幼なじみの大久保 利通(おおくぼ としみち)と長州の桂 小五郎(かつら こごろう)。あるいは、勝 海舟(かつ かいしゅう)や、薩長同盟を成し遂げたと言われる坂本 龍馬(さかもと りょうま)。また、明治天皇にも西郷さんは大変、信任が厚かったようです。

いろいろな人物がいますが、「江戸無血開城」に関しては、実は埼玉県小川町に縁の深い、剣豪で知られる山岡 鉄舟(やまおか てっしゅう)こと、山岡 鉄太郎(やまおか てつたろう)がその主役であります。

当時、官軍の東征大総督府下参謀として、事実上の総責任者になっていた西郷は、どちらかと言えば、「血を流すことによって江戸幕府から新しい政府ができる」というイメージを抱いていたようですが、「江戸百万の民を傷つけるのは極めて良くない」という考え方に立った勝 海舟は、自分の代理として幕臣であった山岡を西郷の元に派遣します。熱情を持って山岡は西郷を説得し、江戸城への進撃中止を決意させました。150年前のことです。

この山岡 鉄太郎は、小野家から山岡家の養子になり、その実家(小野家)の領地は小川町の竹沢地区にあったそうです。そうしたこともあり、山岡は、しばしば馬を駆けては小川町を訪れたそうです。そして、領民にごちそうになった時は、一筆書いてそれを御礼代わりに渡していたそうです。

そうした縁もあり、和紙の里小川町では、しばしば山岡の書が見受けられます。また、当時からの旅館であり割烹でもある「二葉」には、山岡が絶賛した「忠七めし」というものがあります。

来年の大河ドラマで、小川町が大きく注目されることを期待しています。