政府が5月30日(火曜日)の閣議で2017年版の自殺対策白書を決定しました。
人口10万人当たりの自殺者数を示す「自殺死亡率」を諸外国と比較した場合、日本は6番目に高いことが分かりました。高い順からリトアニア、韓国、スリナム、スロベニア、ハンガリー、日本、ラトビア、ウクライナ、ベラルーシ、エストニア、ウルグアイ、ベルギーとなっております。日本の自殺者数は減少傾向にありますが、世界的には人口比で依然として高水準であることが分かります。
特に、若者の自殺が深刻な問題です。平成27年の死因を5歳ごとの年齢階級別に分析したところ、15歳から39歳の5階級で「自殺」が1位と判明しました。死因全体に占める自殺の割合は17.8パーセントであり、事故の6.9パーセント、がんの5.2パーセントを大きく上回っています。
また、先進7か国(日本、フランス、ドイツ、カナダ、アメリカ、イギリス、イタリア)の中で、15歳から34歳の死因の第1位を自殺が占めるのは、日本だけです。
若い人がなぜ自殺をしなければならないのか。小中高生の自殺の原因を警察庁の統計でみると「学業不振」や「いじめ」などの学校問題が最も多く、次いで「親子関係の不和」などの家庭問題、「うつ病」などの健康問題が続きます。
自らの将来に希望がないと考える若い人が多いという実態については、更に詳細な分析が必要になると思われます。これは心理学、社会学等、様々な観点から総合的に分析することで、正にかけがえのない生命、そして社会にとって貴重な将来の人材が失われないよう、真剣に研究する必要があります。
国が行った調査によると、悩みやストレスを感じた時に、相談や助けを求めることにためらいを感じると思う人は46.9パーセントに上るそうです。
埼玉県では、気軽に相談できるような相談体制の整備や自殺が多い箇所での予防対策などを行い、誰もが自殺に追い込まれることのない埼玉の実現に向けて自殺対策を進めていきます。