県内48か所の教習所が加入する一般社団法人埼玉県指定自動車教習所協会が大変素晴らしい取組を始められることになりました。一般的に自動車の運転免許を取得するには約29万円が掛かると言われていますが、児童養護施設で育ち、卒業して社会に出る前に免許を取りたいと考える高校生にとってこれは大変な金額です。これまでも一定の公費助成がありましたが、このたび、自動車教習所協会に、こうした子供たちが県内の指定教習所を利用する場合には5万円を限度に支援するという新しい制度をつくっていただきました。
これまでは、児童養護施設のための国の負担制度の中で「資格取得等特別加算費」として56,570円が支給されるだけでした。今年度から県としても「子どもの暮らし応援事業運転免許取得補助」として、就職に当たり必要となる場合には18万5千円を補助することにいたしました。これらの制度により、資格取得等特別加算費の56,570円に加え、県の補助18万5千円、そして残りを教習所協会が支援することで事実上、児童養護施設で高校を卒業する子供たちが自己負担をしないで、就職で必要な運転免許を取得できるスキームが出来上がりました。
教習所協会から支援される対象者は平成27年度の見込みで36人程度と聞いております。社会人として活躍する時、あるいはまた大学生となった時に、こうした善意の力が何らかのプラスの働きとなり、子供たちの将来を切り開いていくことになるかと思います。埼玉県指定自動車教習所協会の皆さん、本当にありがとうございました。