2月25日(土曜日)の朝日新聞に県内の酒蔵で活躍する女性の記事が出ていました。県内の酒蔵では多くの女性が活躍し、新たな風を吹き込んでいるようであり、うれしい限りです。

このブログでも何回か取り上げていますが、埼玉県の清酒の出荷量、消費量はともに全国4位です。県内には35の酒蔵がありますが、その中の3つの酒蔵で活躍する女性が紹介されていました。

まずは「越生梅林」の佐藤酒造店(越生町)の杜氏(とうじ)、佐藤麻里子(さとう まりこ)さん。この酒蔵の長女として生まれた佐藤さんは、高校生のときに直売所の手伝いをしていて「おいしい」と言われたのがきっかけで杜氏となったのだそうです。

佐藤さんは大学時代から酒造りを学び杜氏となりました。甘口と辛口でラベルの色を分けたお酒や、自らの名前をつけた純米吟醸酒「まりこのさけ」を出すなど、新たな試みを続けています。

また、「天覧山」の五十嵐酒造(飯能市)では、副杜氏の村上暁子(むらかみ あきこ)さんが活躍しています。村上さんは大学時代に五十嵐酒造で研修生として働き、終了時に「来年からお世話になります!」と言って、本当に入社したつわもので、酒蔵で活躍する女性の先駆け的存在だそうです。

2人のお子さんの育児をしながら、周囲の協力もあって酒造りにかかわり続けています。酒蔵に入っても結婚や出産を機に離れていく女性が多い中、「長く続けられる環境が整い、女性目線を生かせば、もっといいお酒が増えると思う。」と言っておられます。

上尾市の「文楽(ぶんらく)」は全社員40人の半数が女性です。伝統的な酒造りだけでなく、女性目線を商品開発に生かして麹(こうじ)を使った甘酒や塩麹などの食品、蔵人(くらびと)の手がきれいなのを見て作ったハンドケア商品などの化粧品の販売も行っています。

埼玉県では女性の活躍を応援する「ウーマノミクスプロジェクト」を進めています。酒蔵の女性たちのように、多くの女性がいきいきと活躍できる職場が増えていくよう、女性が働く企業の応援や、女性の就業支援に取り組んでいます。

酒蔵のように従来は女性がいなかったり、少なかった職種や職場でも、今では多くの女性が活躍しています。女性が活躍することで、新たな視点や感性が加わり、よりよい商品やサービスの提供につながっているのではないかと思います。

おめでたい席の多い春、是非とも埼玉の地酒で祝杯をあげていただきたいと思います。