3月10日(金曜日)付けのプレジデント・オンラインが、本県の越谷市に本社を置く野球用品メーカー「ベルガード ファクトリー ジャパン株式会社」を取り上げていました。

同社は従業員数1ケタの小さなメーカーで、キャッチャー用のマスクやプロテクター、打者の手足を保護するガード類などの「防具」を中心に製造販売しています。

日本での知名度はマイナーながら、アメリカメジャーリーグの超一流選手(例えば、ロビンソン・カノ選手(推定年俸 約24億円)WBCドミニカ代表、シアトルマリナーズ所属)にも同社製品の愛用者がいるほどの国際的評価を得ているそうです。

大手メーカーがしのぎを削る世界の野球市場の中で、なぜ小さなメーカーが大手に伍して戦えるのか。

まず、同社の手掛ける野球用品は、主力の防具のほかグローブ・ミットなど、同社の持つ技術を最大限に生かせる得意分野に特化しているそうです。大手のように扱う商品の幅を広げるのではなく、商品を絞り、強みを深掘りすることで丁寧な製作を実現しようという発想です。

また、選手からの要望に応じて、職人が使い勝手を考えながら細かい調整まで行う。防具やグローブのデザイン変更などにも柔軟に対応しています。こうしたきめ細やかな対応が選手から好評を得ているようです。

選手との関係も大手メーカーと異なり、特有のビジネスモデルを実践しています。大手が巨額の契約金で選手と専属契約を結び、用具の無償提供を通じて広告塔とするのに対して、同社では契約金は支払わず、用具の無償提供のみ行っています。

それでも選手本人が納得して使い、気に入ると追加の製作依頼が来る。「ベルガード」ブランドの評判は、他のメジャーリーガーにも波及。知名度や評価を高めつつ、マイナーリーグの選手やアマチュア選手にもファンを拡大し、販売個数を増やしています。

宣伝もSNSなどインターネットを積極的に活用してコストを抑えながら、海外展開を図っています。平成24年の会社設立以来、増収増益が続いているそうです。

知恵と工夫により「小が大に勝つ」戦略で、メイド・イン・サイタマが世界の野球界を席巻しているとは、何とも痛快な話ですね。