がんは、我が国の死因の第1位であり、生涯のうちに2人に1人が罹患(りかん)すると言われている病気です。近年では医療技術の進展により、がんに罹患した後の生存年数が延びています。手術を受けた場合でも、比較的早く退院して通院しながら治療する方が増えています。
厚生労働省の推計によると、仕事を続けながら通院している方は全国で約33万人に上ります。一方で、がんと診断された後、3人に1人が退職したり、解雇されたりしているのが現状です。
働く世代の方ががんの診断をきっかけに仕事を辞めてしまうと、治療費や治療が一段落した後の生活費の確保が困難になるおそれがあります。人手不足と言われる昨今、企業などにとっても貴重な人材を失うことにつながります。
こうしたことから、がん治療と仕事の両立の重要性が高まっています。
県では、働くがん患者さんの治療と仕事の両立を支援するため、独立行政法人労働者健康安全機構埼玉産業保健総合支援センターとの共催で、看護師、医療ソーシャルワーカー(相談員)、がん治療経験者などによる相談を始めます。治療と仕事の両立に向けた職場との調整を支援する「両立支援促進員」も対応します。
治療と仕事の両立をはじめ、治療に要する費用のことやがん治療経験者の体験を聞きたいなど、幅広い相談をワンストップで受け付けます。
相談は、7月11日(木曜日)を皮切りに月2回、仕事帰りにお越しいただけるよう平日の夜間に予約制で行います。会場はさいたま新都心駅から徒歩5分の場所にある埼玉県男女共同参画推進センターです。
「職場の配慮の下で仕事を続けられたことが闘病の支えになった」という患者さんもいるそうです。このような方が一人でも多くなるよう、県としてもしっかり支援していきたいと思います。
『がんワンストップ相談』の予約を受付けています