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「赤と黒」と言えばフランスの作家スタンダールの長編小説です。ですが、本日の「赤と黒」は埼玉高速鉄道の話です。

公務員には大きな欠点が二つあります。一つは「赤字が苦にならない」、もう一つは「競争原理が働かない」。この二つがあるが故に、地方公共団体が運営に大きく関与する第3セクターなどの事業はしばしば赤字になったり、清算されたり、最終的には民間に売却されたりしています。

埼玉県も例外ではありません。私が知事に就任した平成15年9月当時、県が最大の株主である出資法人の大半は赤字でした。特に赤字が大きかったのが埼玉高速鉄道です。

埼玉高速鉄道は、そもそもの成り立ちに課題がありました。資本金が610億円であるのに対し、1,575億円もの借入金で会社をつくったため金利払いだけでも年間約30億円が必要でした。最初から金利以上に稼ぐというのが困難な状況だったのです。したがって、平成15年度末時点で借入金は会社設立当時とほとんど変わらない1,533億円も残っていました。

金利負担が大きいことから、平成26年度には中立的な専門家が債権者と債務者の調整を行う、事業再生ADR(※)を実施して、経営健全化を実現しました。
現在では、1,533億円あった借入金も500億円を切るまでになっています。また、平成15年度に275億円あった累積損失も平成27年度までに解消されました。
それまでの償却前黒字から、平成27年度には最終損益においても黒字に転換し、その後、毎年、経常利益が黒字となるまでになっています。
この間、一貫して民間出身の社長をスカウトするとともに、沿線開発や埼玉スタジアム2○○2の集客との連携など、様々な手を打ってきたことが功を奏しました。

正に、埼玉高速鉄道は第3セクターの成功事例の一つではないかと思います。

※ 事業再生ADR(裁判外紛争解決)とは、国の認定を受けた第三者が仲介役となり、債権者と債務者が裁判所を通さずに話し合いで問題解決を図ることです。事業を継続しながら手続きが進められるほか、法的整理に準じた税法上の優遇が受けられるなどのメリットがあります。

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