世界で最初の銀行は紀元前3000年までさかのぼるそうです。西アジアのチグリス川・ユーフラテス川の下流地方、現在のイラクの辺りにあったバビロニアという古代王朝では、神殿で人々の財産や貴重品を保管したり、穀物や家畜を貸し付けたりしていたそうです。これが銀行の起源だと言われています。
日本でも銀行のような事業は古くからありました。
鎌倉時代にはお金の貸し借りを担う土倉(どそう)と呼ばれる業者がいました。土倉は当時のお寺や神社が営んでいた金融業のことで、お金を貸し出したり、人々からお金を預かって利息を払ったりしていたそうです。
また、江戸時代に発達した両替商も代表的な金融業です。両替商として大きな成長を遂げた三井や住友などは、現在の大手銀行の源流となっています。
現在のような近代的な銀行は1694年にイギリスで創設された「イングランド銀行」が最初とされています。
日本での本格的な銀行の誕生は、1873年(明治6年)に設立された「第一国立銀行」であると言われています。「国立」という名前はついていますが、実は民間経営の銀行です。この設立に尽力し、初代の頭取となったのが、我らが郷土の偉人、渋沢栄一(しぶさわ えいいち)翁です。
「銀行」という名称は米国の「国立銀行法(National Bank Act)」の「Bank」を「銀行」と翻訳したことに始まると言われています。
翻訳に当たっては高名な学者たちが協議を重ね、お金(金銀)を扱う店との発想から、中国語で「お店」を意味する「行」を使った「金行」あるいは「銀行」という案が有力となりました。最終的には渋沢翁の発案により、語呂のよい「銀行」に決まったそうです。