ある現象に対して人間の心がどのように反応するか、その人がどのような行動を取るのかを科学的な手法で探究する学問が「心理学」だそうです。
心理学的な知見を意識的に適用してみることで、日常の業務がより円滑に、充実したものになるという説があります。参考になりそうなものを幾つか御紹介します。
「カラーバス効果」
自分が意識していることほど、それに関する情報が無意識のうちに手元に集まってくる現象。
例えば、「今日は赤を意識しよう」と考えて街に出ると、普段はあまり意識することのなかった赤い看板や自動車、ポストなど、街中にある赤いものが目に飛び込んでくるようになる。
問題意識を持つことで、いつも見ている新聞や雑誌、テレビやインターネットの情報に対してアンテナが自然と張られ、その解決の手助けになり得る情報やアイデアを手に入れやすくなる。
「シャルパンティエ効果」
物事の印象がその人自身の持っているイメージによって大きく影響される現象。プレゼンテーションなどの際には相手が持つイメージを利用して訴えることが非常に有効である。
例えば、広さをアピールしたいときに「〇〇ヘクタール」とは言わずに、「東京ドーム〇〇個分」とする。多くの人が「東京ドームは何となく広い」というイメージを持っているので、広さをより強く印象付けることができる。
「エメットの法則」
物事を先送りにすると、すぐに片付けるよりも倍の時間とエネルギーを要するというもの。先送りすることで、報告書ならば書くべき内容を忘れてしまい、再度情報を集めるのに時間を要する。ましてや時間が経ってしまうことで情報自体が失われてしまう可能性もある。
先送りした業務は事後的な対応になるため、処理する上では物理的にも精神的にも負荷が大きくなる。その結果、常に時間が足りないという「負の連鎖」に陥りやすい。
人間はつい「今やろうと思っていた」などと言い訳しながら物事を先送りしがちだが、そうした心理がどのような結果をもたらすかを明らかにした法則である。あらかじめこれを理解しておくことで先送りを防ぐことができる。
「シャルパンティエ効果」は相手に働き掛ける手段としてCMなどでもよく用いられていますね。「カラーバス効果」や「エメットの法則」も、なるほどと思い当たることが多いのではないでしょうか。