9月17日(土曜日)、4月に続いて本年2回目の拉致問題に関する国民大集会が開催されました。いみじくもこの日は、14年前に当時の小泉純一郎(こいずみ じゅんいちろう)総理と金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が会談し、初めて北朝鮮が拉致の事実を認めて謝罪した日でありました。その後の2002年10月15日、5人の拉致被害者が飛行機のタラップから日本に降り立ち、帰国を果たしました。あれから14年、まだ一人も帰っておりません。
今回の集会は「最終決戦は続いている!制裁と国際連携で全員救出実現を!国民大集会」という会でありました。「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)」、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)」などが主催し、安倍晋三(あべ しんぞう)総理、加藤勝信(かとう かつのぶ)拉致問題担当大臣、各党の拉致問題担当本部長やそれに準ずる方々が出席され、私も「北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会」の会長という立場で出席をさせていただきました。加えて、全国の都道府県議会で構成する「拉致問題地方議会全国協議会」のメンバーの方々など多くの方々が参加されました。

私は挨拶の中で、この拉致被害者を救出するための運動を階段に例え、「頂上まであと何段目まで来ているということが分かっていれば、階段を昇る速度をもっと早めたり、または力強く歩んだりと、お互いにもっと頑張ることができるのではないかという思いもあるのですが、階段のどの辺りに今いるのかが分からないところに、この運動のもどかしさ、難しさ、厳しさがあるのではないか。しかし、少なくとも歴代内閣の中で、安倍総理こそが拉致問題の解決に一番熱心であることは事実ですから、私たちは安倍内閣を信じて、政府を信じて、被害者の全てが救出されるように一致団結して運動を展開しなければなりません」との思いを訴えました。
私たちはその階段の土台を作る立場かもしれません。地方でも拉致問題に関する集会をやったり、署名運動をやったりしながら、「絶対諦めない、絶対救出するという思いを多くの人たちに伝えていく、そのことが重要ではないか」と申し上げました。

拉致被害者、あるいは特定失踪者と言われる拉致の可能性を排除できない人たちは、最低でも100人、多ければ1000人ぐらいいるのではないかと思われます。こうした皆さんが、寒い北朝鮮の地で、どんな思いで救出を待っているのか、想像を絶します。政府はもっと予算をかけて、テレビなどを通じて拉致の問題をもっと広く国民に訴える必要があるのではないかと改めて思いました。