埼玉県の偉人である渋沢 栄一(しぶさわ えいいち)翁が新しい1万円札の肖像になることが発表されました。
渋沢翁は、500社を超える企業の設立や運営に関わり、近代日本の礎を築いた人物です。「日本資本主義の父」とも、「日本産業社会の父」とも言われています。
ある意味でお札は経済の象徴です。また、経済活動を人体の仕組みに例えて「銀行は、経済の血液であるお金を社会に送り込む心臓である」などとも言われますが、日本で初めて銀行をつくったのも正に渋沢翁です。
そういう意味では、1万円札の肖像に一番ふさわしい人だと言えるのかもしれません。
しかも、渋沢翁はその著書「論語と算盤(そろばん)」で述べているように、企業はそろばん勘定だけではダメだ、論語の言うところの公益を大事にしなければならない、ということを常に説いた方です。

本県では、こうした渋沢翁の精神を今に受け継ぐ全国の経営者に「渋沢栄一賞」をお贈りしています。優れた経営を行っていることはもとより、論語の部分、つまりその企業がどれだけ公益に貢献しているか、利益を社会に還元しているかを重視して受賞者を選考しています。
全国の商工会議所や経営者協会などから推薦や情報提供を受け、本県の選考委員会が受賞者を決定しています。賞を創設した平成14年度からこれまでに、全国20都道府県の43名の方にお贈りしました。

早く渋沢 栄一翁の顔が描かれた1万円札を手にしたいものです。