埼玉県と川口市が映画祭を主催していることを県民の皆さんは御存じでしょうか。実は、13年前から毎年、川口市のSKIPシティでデジタルシネマの祭典である「国際Dシネマ映画祭」を開催しています。13年前の当時は、まだフィルムが主流でデジタル映画は必ずしも主流ではありませんでした。現在では、ほとんどの映画がデジタル化しているのは御承知のとおりであります。デジタルシネマの本格的な普及に埼玉県とこの映画祭が果たした役割は、多くの人々が評価しているところです。

13回目となる今年は、過去最多となる88の国と地域から919の作品が集まりました。映画祭では一次審査を通過した長編部門、短編部門、アニメーション部門の各12作品をコンペティションとして上映します。最優秀作品賞などの受賞を目指して才能あるクリエイターの皆さんが競い合う、正に若手の登竜門となっています。

実際、この映画祭でスタートした新進気鋭の若手映画監督の皆さんが世界の各映画祭で様々な賞を獲得されています。
2005年に短編部門で最優秀作品賞を受賞された熊坂出(くまさか いずる)監督は、その後、第58回ベルリン国際映画祭で最優秀新人作品賞を、第6回シネマデジタルソウル国際映画祭ではグランプリを獲得されています。
また、2007年に短編部門で奨励賞を受賞された外山文治(そとやま ぶんじ)監督はモナコ国際映画祭2011短編部門で最優秀作品賞を含む5賞を受賞されています。
このほか、2009年に長編部門SKIPシティアワードを受賞された白石和彌(しらいし かずや)監督は、第37回日本アカデミー賞で優秀作品賞、優秀監督賞を、2012年の長編部門監督賞、SKIPシティアワードを受賞された中野量太(なかの りょうた)監督は、第3回サハリン国際映画祭でグランプリに輝いておられます。
このように見てきますと、この「国際Dシネマ映画祭」が若手のクリエイターたちにとって、いかに大きな意味を持っているかが御理解いただけると思います。

13年前、このSKIPシティにNHKのアーカイブスが設置されました。そのチャンスを生かして、映像産業をこの地区に集積して新しい産業を興していこうという当時の埼玉県の意欲が、「国際Dシネマ映画祭」の開催につながったところでもあります。

今や国内の映画館の97%で映像機器がデジタル化され、映画は撮影から上映まで全てデジタルで行われるようになってきました。埼玉県がデジタルシネマの普及に大きな役割を果たしてきたという事実を県民の皆さまにも知っていただきたいと思います。そして、7月16日(土曜日)から24日(日曜日)まで、川口市のSKIPシティで開催されるこの映画祭に是非ともお越しいただきたいと思います。

「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016」のホームページ