去る6月2日(木曜日)に、経済人を中心にしてつくられた日本健康会議が主催する「健康づくりと生涯現役社会を考える首長懇談会」に出席をしてまいりました。共同代表は日本商工会議所会頭の三村明夫(みむら あきお)さん、そして日本医師会会長の横倉義武(よこくら よしたけ)さんであります。医療や経済、そして大学の関係者などが集まって、日本人の健康づくりについて、まちづくりや職場づくりなども含めてしっかりやっていこうという趣旨の会であります。

会議では、青森県、茨城県、福岡県、そして私の4知事から、各県での取組についての発表をし、若干の意見交換を交えながら議論が進みました。
私は、「健康長寿埼玉プロジェクト」で平成24年、25年、26年と3か年にわたって7つの市でそれぞれ特徴を持ったモデル事業を進めてきたことを紹介し、その成果がどのような形で表れているかということを報告しました。

具体的には、「毎日1万歩運動」では年間約2万4千円、「筋力アップトレーニング」では年間約7万9千円の医療費削減効果が見られたこと、27年度からは、それを推奨モデルとして市町村に提示し、県全体に広げる取組をしていることを報告いたしました。
全県に広げる上で、まずは1000人規模でこの実験を行う市町村として、平成27年度は志木市と三芳町に、本年度はさらに鴻巣市、北本市、ふじみ野市に取り組んでもらっています。

また、この日の会議では本県の「糖尿病の重症化予防対策」も注目を集めました。健診データからハイリスク者を絞り込み、医療機関への受診や生活習慣の改善を直接働きかけるという埼玉県の取組は、国も注目して全国に紹介しているくらいです。

いずれにしても、超高齢化社会に向けて医療・介護の体制をしっかりとつくることが重要であることはもちろんですが、元気でアクティブなシニアがどれだけ活躍できるか、どれだけ健康を維持できるかという、より前向きかつ予防的な取組が求められています。こうした視点からも、この日本健康会議はしっかりと論点を整理しながら日本中に横展開を進めていくための材料を用意しているとのことです。